なぜ?業者は一巻無料にするの?
2017.03.10

手帳よく電子書籍でまんがを読む際に、一巻無料という謳い文句を目にします。利用する客側としてはお得に感じますが、いったい何故一巻無料というサービスが出始めたのでしょうか。

業者としては無料の電子書籍で興味を引いて、最終的には商品を売りたいと考えます。電子書籍は新刊も随時更新されますが、中には数年前に出たまんがも取り扱っています。紙の本ではなかなか見つからないものでも、電子書籍ならばデータ化されているために全巻取り揃えられている、というケースが多くあります。

さて、この古いまんがというもの。想像してみてください。古いために連載終了している。それまで描き終えたものがコミックとなり、ずらりと並んでいる。それは最低でも五、六巻、多くて十巻を超えるものになっているのです。友人に「面白いから読んでみなよ」と紹介されたならば「まあ面白いらしいし読んでみようかな」と気軽に購入出来るかもしれません。ですが、「暇つぶしに昔のまんがでも読んでみようかな」などという理由でこのずらりと並んだ巻数を見て、気軽に購入出来るでしょうか。

中には気にしないので購入するという人がいるかもしれません。しかし多くはその巻数の多さに少し躊躇してしまいます。そんな彼らがまんがを「読む、読まないか」「買う、買わないか」を決める要素。それは面白いのかの一言に尽きます。自分が面白く思えるものならば長くても読み続けられます。読み続けられるということはまんがを買い続けることに繋がります。では少しでもそう思わせるにはどうすればいいのか。それが、一巻無料というシステムです。

一巻というのはとても大事なものです。第1話という物語の幕開け、そこから繋がる2話、3話と進むに従って、物語がどう展開していくのか。そのまんがにとっての始まりが詰め込まれています。この序盤で読者をどれだけ引き込めるかにかかっているので、まんが家にとってはここにとても力を入れます。

そして読者にとっても一巻は大事な判別要素になります。主人公、ヒロイン、敵、世界観、雰囲気。これらを見て面白いと思えるのかどうかを見極めるのです。まんが家が力を入れた序盤で読者に面白いと思わせれば勝ち。見事取り込むことが出来たならば、読者は続きを読みたいと思えるのです。

だからこそ一巻無料にし、気軽に誰でもまんがの始まりを読めるようにします。そうして多くの読者を呼び込み、多くのまんがの始まりを読ませるようにするのです。そうすればこれは自分には面白くない、別のものを探そう。と気軽に他のまんがに移ることも出来ます。人の循環がスムーズに出来るという面から見ても有効なのです。

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